111人が本棚に入れています
本棚に追加
その頃。
宿に着いた櫂は
二階の部屋で
自分の刀の手入れをしていた。
さっきは
ただ京の町を
散策していただけだったし
神聖な?場所である
甘味処へは
刀を持ち込まない、
そう決めていたから
刀は持っていっていなかった。
彼の愛刀は
それぞれ
太刀が“黒宗”-コクソウ-、
小太刀が“白宗”-ハクソウ-という。
手入れが行きとおっていて
刃こぼれ一つなく
綺麗な輝きを見せている。
だが
刀を見ている時も
彼の頭の中で
離れない物があった。
それは────、
先ほど会った彼らのこと。
最初のコメントを投稿しよう!