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悲しそうだった。
壬生狼なんて言われて
本当はつらいんだろう。
でも何で
俺はこんなに
彼らのことが
気になるんだ?
───助けてあげたい。
自分で
助けになるのか?
そこまでする必要は?
この時。
彼は気付いていなかった。
自分が
彼らを“仲間”として
求めていること───
彼らが“春”と同じ
存在に成りえることを───。
『痛っ』
不注意で、
刀で指先を軽く切ってしまった。
血が出てくる。
───しょうがない。
明日は、屯所に行ってみるか。
そう考えると
櫂は傷口に
布を軽く巻き
黒宗、白宗をしまって
眠りに就いた。
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