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『そんなことしちゃ
手が切れちゃうよ?』
掴んだ手を引き
彼女を立たせてから
しゃがみこむと
割れた皿の破片を
集めはじめた。
「お、お客はん!!
そんなことせんでも
わてのせいなのに!」
『いや、俺も
一辺に頼みすぎたからね。
おあいこってことで。』
そう言って微笑むと
集めた皿の破片と
お金を置いて
『じゃあ後は
頼むっ!!』
甘味処を出ていった。
その笑顔に
なぜか周りは癒された。
だけど彼の笑顔が
薄いもの──、ということを
気付いていない。
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