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『壬生狼?』
櫂が疑問の声を漏らすと
周りの町民が
───「あいつらは
人斬り集団や」
───「成り上がりの
浪士のくせになぁ」
───「恐ろしい!
壬生の狼め。」
とまたこそこそと話しだす。
『壬生の狼、ねぇ‥』
そう言って
彼らを見たが
そんな声が
聞こえているだろうに‥
堂々と町を歩き
威厳と恐怖を与えていた。
───でも何だか悲しそう。
櫂はそう、感じた。
本当は悲しいんじゃないの?
だって
あんなに脆そうなんだ。
『狼なんて、合ってないな。彼らには‥』
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