出会う

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櫂は ちょうどその通りの 民宿に入っていったが その視線は、確かに彼らに 届いていた。 一番前を歩くのは 沖田総司という青年。 京に来て この綺麗で歴史ある町を 自分たちの手で 守れることに嬉しく感じた。 だけど実際は 町民からは忌み嫌われ 成り上がりの浪士 人斬り集団 ────壬生狼 ‥こうして 陰口を叩かれる。 つらくて。 斬るのに理由があって 自分が悪くなくても いくら近藤さんの ためでも 悲しい。 今日も陰口を聞いて 諦めに近い気持ちで 見回りをしていた。
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