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「行けっ!全軍、突撃だ!」
レイングが大剣を敵の方に向けて叫ぶ。
それと同時に周囲の兵士達が作戦の通りに散開していき、敵の進路の左右を塞ぐ。
しかし、敵の勢いは衰えず、瞬く間にその包囲網は突破されてしまう。
「ひゅ~流石だねぇ……」
金色の長髪の青年が頭の後ろに手を回してのん気にその戦局を見つめる。
「ケイン……イルヴァラ軍を食い止められる策はあるか?」
「そうっすね……」
長髪の青年、ケイン・カルナスが顎に手を当てながら目を閉じて考えるような仕草をする。
「とりあえず、あちらがざっと見で十数万、こっちが約三万。兵力差があるんで、ほかの奴にゃ考えらんないような特殊な策を使ってみようと思います。ロイドさん、レイングさん……いいっすか?」
「あぁ……言ってみろ」
ロイドがケインにそう言うと、ケインは二人に作戦を説明し始めた。
「……という作戦です」
「うん……その作戦なら大丈夫そうだな……ロイド、かなり危険な目に遭うことになるが、大丈夫か?」
「あぁ。大丈夫だ。俺のことを信用してくれてるから頼んでくれるんだろ?だったら、期待に応えてやらなきゃな」
ロイドはレイングに微笑むと、剣を再び腰の鞘に戻した。
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