第零章 PROMISE

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広い平原の中で青髪の少年と銀髪の少年の二人が走り回って遊んでいる。するとその時、銀髪の少年が急に立ち止まった。 「どうした?飽きたのか?レイング」 青髪の少年が銀髪の少年、レイング・ノーティヌスに問いかける。レイングは「違う」と小さく首を横に振ると、地面に座り、青髪の少年の顔を見た。 「なあ、ロイド。前、お前に俺の夢の話をしたよな?」 「あぁ。『戦乱ばかりのこの世界から戦乱を無くすこと』だっけか?」 「あぁ。とんでもない絵空事かもしれないが、俺は絶対に成し遂げたいんだ。そのために、お前に頼みたいことがある」 レイングは真剣な眼差しで青髪の少年、ロイド・ハーチネスを見つめた。 「あぁ。何だ?」 「俺の背中をお前に託したい。この世界を変えるために。頼めるのはお前だけなんだ。頼む」 少しの沈黙。そして、ロイドは顔を上げてレイングに笑顔を見せた。 「今更何言ってんだよ。俺はお前について行く。そして、もしもお前が道を踏み外したらまた、元の道に戻してやるよ。万能すぎるお前に俺ができる事なんてそれだけなんだろうからさ……」 「ありがとう。……よしっ!ロイド。今はまだ小さな力だが、もっと力をつけて、俺らが必ずこの世界を変えるんだ!」 レイングは立ち上がって拳を突き上げると、ロイドの方を向いて笑った。 この少年達の約束は一時たりとも忘れることはなく、二人は助け合い、あらゆる戦場を駆け抜けてきた。そして、十年後……
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