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恩師との再会
劉備は馬元義を打ち破り、朱雋に指定された戦場に向かった。
しかし、何の褒賞もなく、ましてや、功労の言葉も無かったため、士気は下がっていた。劉備の弟、張飛も頭に来ていた。
指定された所の大将は盧植と言う将軍が戦っていた。
盧植は昔、劉備の学問の師匠だった。琢県の桜桑村が劉備の出身地である。母と二人で筵を織り、売るのを生業としていた。劉備は漢帝国の末裔であり、高祖劉邦の血筋である。
そんな男が小さな村で、筵を織っていたのには理由があるが、ここでは省きたい。
少年劉備は母の勧めで学問所に行く事になるが、そこの先生が盧植であった。兄弟子の公孫サンと共に勉学に励んだのだ。
劉備は朱雋に盧植と聞き懐かしい気持ちになっていた。
行軍は順調だったが、苦戦していた盧植は劉備が到着する前に、何とか黄巾を撃ち破ることに成功した。
盧植が陣で休んでいる時に劉備は到着した。
劉備は門兵に義勇軍が到着したことを話すと、既に勝ったから必要ないと言われた。しかし、せっかくだから盧植に会いたいと伝えた。
次の戦場に赴こうと地図を見ていた盧植の所に兵が来て、劉備と言う義勇兵が来たことを告げた。
盧植は追い返そうと考えたが、劉備と聞いて中に通すよう告げた。
劉備と盧植は久しぶりの再会を喜んだ。
「先生、お久しぶりです」
「あの子どもがこんなに成長したか。」
「義勇軍を立て、先生のお手伝いをと思いましたが、要らぬようでしたな」
「この戦場は片付いたから、董卓と言う将軍を助けに行って欲しい。」
一晩、ゆっくりと休んだ劉備は翌朝董卓のいる戦場はに向かった。
董卓は面倒臭がり、なかなか、討伐しようとしなかったが、ついに敵に隙を突かれ、痛恨の痛手を負ってしまい、退陣していた。直ぐに黄巾軍は追撃を行った。
そこへ、劉備の義勇軍が到着し、追撃軍を一掃した。
董卓は命を助けられ、劉備に礼を述べた。
「貴殿は何処の部隊だ、褒賞を与えるよう報告しよう」
「私は義勇軍で、部隊はありません」
そう告げると董卓の態度は一変し
「つまらん奴らに話しかけてしまった」
と言った。
すると、張飛は董卓を殺してやると息巻いたが、関羽、劉備に押さえ込まれた。
劉備はそのまま、盧植の所へ戻ると言い、義勇軍を行軍させた。
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