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黄巾の乱鎮圧
盧植を見送った劉備達は、行き先を失ったが、朱雋の伝令がやって来て、助けて欲しいと劉備を連れていった。
朱雋は劉備達を快く迎え、豪華な食事と酒を振る舞った。
張飛は喜び、その晩は飲み明かしていた。
朱雋は気を良くした劉備達に話を持ちかけた。
「今戦っているのは、張宝という張角の弟だ。そいつは妖術を使い、苦戦している。」
「それで俺達にこんな持て成しをしたのか」
と理解した。
翌朝、劉備達は官軍の兵を千借りて出陣した。薄暗い谷間に差し掛かると、官軍は一気に震え上がった。次第に風は強さを増し、雷鳴が轟いてきた。
「早々に立ち去れ、差もなくば死ぬことになろう」
と言う言葉が反響し届いてきた。すると、矢、石等が大量に降り注いできた。
さすがに不味いと思った劉備達は退却した。劉備にはこの妖術の正体が分かった。しかし、怯えた官軍は使い物にはならなかった。
正面から攻めたのでは正体を分かっていても攻略出来ない。頭を捻っていた劉備と関羽に張飛が策を考えた。
「何も正面から行かなくても、裏の崖を登れば良いだろう。奇襲は敵が絶対に来ないと思うところから攻めて成功するんじゃないのか?」
「張飛の言う通りだ」
と、劉備達はその策を実行することにした。
翌朝、官軍に攻めなくて良いから正面に陣を張るよう伝え、義勇軍だけで崖を登ることになった。そして、崖を登ると、敵の兵糧に火を放ち、裏切り者が出たと思わせ、混乱に乗じて関羽が張宝を射ち取った。
大将を無くした黄巾軍は敗走し出すと、追撃をかけた。正面に構えていた朱雋の軍が挟み撃ちをかけ、黄巾軍は壊滅した。
また、鉅鹿の黄巾軍の本陣では張角が病で死に黄巾の乱は終わりを告げた。
その後、洛陽で祝勝会が行われたが、義勇軍の劉備達は門外で待っているよう言われた。
二日が過ぎても何の連絡もなくずっと待ち続けていると、盧植が洛陽にやって来た。
「先生、ご無事だったのですね」
「劉備のお陰で助かった。しかし、何故この様なところにいるのだ」
「褒賞を与えるからここで待つよう言われました。」
そう告げると、盧植は門を入り怒鳴った。
「戦功を立てたものを門外に出し貴様等は何をしているか、さっさと褒賞を与えよ」
すると、十常侍は慌て劉備を安喜県の県尉に着くよう言われた。
劉備は喜び、直ぐに安喜県に向かった。
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