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猛将呂布
董卓は皇帝を連れ参内した。弁皇帝は頼りなく、決定力も度胸もなく、董卓はイライラしていた。
董卓はある野望を考えていた。そして、各地から将兵を集め、宴を設けた。
皇帝をを手中に収めた董卓は横暴を繰り返し、各地の将兵に恐れられていた。そんな董卓が宴を開きその場で、野望を打ち明けた。
「将兵に問いたい。今の皇帝は頼りにならない。その点、協皇子は意見も言え頼りになる。この際、協皇子を新皇帝にしようと思うのだが、どう思う。」
将兵は黙り込んでいた。誰も董卓に意見出来るものがいなかったのだ。
「それでは、協皇子を新皇帝にする。」
すると、
「黙れ、そんなことが許されると思っているのか。」
丁原だった。
董卓は怒りに震え、剣を抜こうとした。しかし、参謀の李儒が止めに入った。
その場は李儒が治めたが、将兵は次第に席を立ち、去っていった。
「殿、先程はかなりの危険でした。丁原の後ろに立っていた人物はかなり危険です。」
「李儒、お前はあの者を知っているのか?」
「丁原の養子となった呂布と言う人物です。武芸は凄まじく、この世で一番強いとも言われています。」
「そんな人物なら是非我が軍の欲しいものだな」
そこに李粛と言う人物がやって来た。
「董卓様、呂布とは同郷で顔見知りです。金とあるものを持って勧誘すれば、我が軍に下るでしょう。」
「李粛、あるものとはなんだ」
「殿の愛馬赤兎でございます。」
「赤兎だと、あの馬は手離せん」
「殿、馬はいくらでも手に入りますが、猛将さなかなか現れません。ご決断を」
「ウム、分かった。李粛に金と赤兎を授ける。必ず呂布を我が軍に連れてこい。」
直ぐに李粛は丁原の陣に行き、呂布を訪ねた。
「呂布殿、お久しぶりです。」
「李粛殿、久しいな」
「今晩は君を勧誘に来たのだ。董卓様が是非君に来て欲しいと、素晴らしい贈り物を用意してくださった。」
「俺は董卓には仕えん。そんなことなら帰ってくれ。」
「そんなことを言わず、見て欲しいものがあるのだ。」
そう言うと、呂布を連れ外に出た。そこには、全身燃えるように赤く、大きな体の馬がいた。見るからに美しく、呂布は息を飲んだ。
「この馬は董卓様の愛馬で赤兎という。一日で千里を走ると言う馬だ。」
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