第1章

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「そこら辺適当に座ってて。なんか飲み物入れて来るから。」 「ん。ありがとう。」 私はとりあえずリビングにあったソファーに座った。 しばらくして 「はい、お茶。」 私にお茶を渡してくれて、向かい側のソファーに座った。 「ありがと。」 「ああ。」 それからー… ど、どうしよう…。 さっきからずっとお茶を飲んでは置き飲んでは置きの繰り返し。 何か話さなきゃとは思っても、緊張して何を話せばいいのか分からなくなっていた。 どうしようー… 「プッ。莉子さっきから焦りすぎ。」 晴兄が私を見て急に笑い出した。 「へっ?」 「さっきからそわそわしてるし。緊張でもしてんの?」 そう言って笑う。 あ、変わってない。 晴兄は背もすごく高くなって、髪も茶髪になっていて声も低くなっていたけど、笑顔だけは昔と全然変わっていなかった。 私はそんな晴兄を見て少しだけ安心した。
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