競馬場へ行こう

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 ───和美の隣にさゆりが座るさゆりは周囲を見渡す。 「あっれぇ~。千佳は?」 「さっき、パドックの南側にいたぜ」  和美は競馬新聞を眺めながら、右手でパドックの方を指差す。 すると、パドックの最前列に茶髪のロングヘアーで、携帯片手に馬の写真を撮っている女がいる。 「あっ…いたいた」  と、さゆりがいうと 「なぁ。いただろ」  と和美がそっけなく言う。 「ねぇねぇ和美これなんだか分かる?」 和美は競馬新聞に夢中で話を聞いていない。 「もぅいい!折角、人がハズレ馬券集めたの、みせてあげてるのに」  さゆりは怒る。  さゆりはハズレ馬券を集めるのが、趣味のひとつである。  これもまた、競馬の楽しみ方のひとつでもある。 「そんなハズレ馬券集めたって、飯の足しにもなりやしねーのに。バッカジャネェーノ」  和美が素っ気無くそういうと、さゆりは、泣きそうな表情を浮かべている。  そしてこういう。 「和美がねぇ~あたしの事、バカとかいうのぉ~」  さゆりは千佳に言いつけに行く。
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