競馬場へ行こう

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 ──千佳はパドック内を歩く馬達をみつめながら、「綺麗よね……。サラブレットて……」とつぶやきながら、うっとりしている。  そんな陶酔している千佳の背後からさゆりが抱きつく。 「うわっ。びっ…びっくりしたぁー」 「へへー。また馬みてるんだ?」 「うん。私にとっては、馬券なんてどーでもいいのぉー。お馬さんの、あの調教されたあの肉体お尻のお肉や腰の筋肉。も うさいこうよねぇー」 「ば…馬体ね。マニアックよねアンタ。まぁ私もひとの事はいえないけど」 さゆりは、目が点になっている。  さゆりは再び和美の下に戻ると、和美がいない。  さゆりは立ち止まりながら周囲を見渡すと、館内から和美が、右手で後頭部かきながら出てくる。 「もぉーどこ行ってたのよ」  さゆりが腕組みをして怒る。 「あぁ~ん。何だその態度。馬券買いに行っていただけだろ」 「馬券買いに行くなら行くって一言いってよね。心配してたんだから」 「おぅわりぃわりぃ。次から一言声かけていくわ」  和美は1回さゆりの右肩を軽く叩き、パドック横の長椅子の方に向かって歩いていく。  さゆりも後を追う。
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