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ダービーといえば、競馬界では最高峰といわれているレースである。
騎手達にとっても、このダービーを獲る事は大勲章であり、また久遠(くおん)の栄光でもある。
馬にとっても、最高の名誉である。
そしてダービーこそが、天下一決定戦でもある。
そのダービーをみにくる人々も、誇り高きこのレースに、さまざまな思いを巡らし訪れる。
誇り高きダービーの申し子達が、天下一を目指し、熱いバトルを繰り広げる。
全力の限りを尽くし馬達
が走り去る。
騎手達もガムシャラに騎
乗する。
そんなけれんみなき姿に、多くの人々が心を動かされる。
和美がさゆりと千佳のふたりを呼び寄せる。
そこからみる馬場は、これまた絶景である。
「馬場が奇麗」
さゆりは、キラキラきらめく芝生を眺めながらそういった。
「あぁ確かに綺麗だよな馬場って。特に芝生は、あたしも綺麗だと思う」
和美は画面を見ながら頬杖を突いている。
「もぉ~。画面みてる癖に適当なこと言わないでよね」
「別にいいじゃん」
和美はそっけなく、さゆりに返答する。
「そう言えば、和美のお父さん馬主だよね?」
「だから?」
和美は足を組み、頬杖をつきながら真正面をみすえている。
一瞬の静寂をきりさくようにさゆりが言う。
「癇に障ったらゴメン…」
「別にいいよ」
和美は、あっけらかんと言った。
「あたしは、あたし。オヤジはオヤジさ…」
と、和美はあくびをする。
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