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縁起でもないことを考えていたら、カランカランと事務所の来客を知らせるベルが鳴った。
振り向くとある程度小綺麗な、だけど少々やつれた感じのする女の人が立っていた。
佐久間にお茶入れてと言いながら応接用のソファーを指差した。
「いらっしゃいませ。
どうぞ、おかけください。お茶はすぐお持ちしますので。」
女性は今にも消え入りそうな小さな声でいえ、お構いなくと言いながらソファに座った。
「えぇと、ご依頼ですよね?
すいません、申し遅れました。
私は水沢探偵事務所所長の水沢 アミです。
で今回はどういったご用件で?」
『あのですね、どうも主人が浮気しているみたいなんですよ。
それで離婚の時に有利に進めようと浮気の証拠を押さえたくて…。』
また浮気調査の依頼だ…。
全くどうして男という生き物は浮気ばかりするのだろう。
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