絶望

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絶望

「父さん、人間ってどんな生き物なんだろうね?」 俺は夕飯の食卓で、ビールをすする父に聞いた。 当時の俺はまだ小学校4年生だった。 幼い心に浮かんだ素朴な疑問を真っ正直からぶつけたのだった。 そんな質問に、父はいつもの堅苦しい理屈を並べて答えた。 「そうねぇ… 人間っていうのは生物学的には――」 隣で母がため息をついていた。 今考えると、よく飽きもせずにあんなつまらない説明に付き合ったな……と俺は思った。 しかし、未だに、父が答えの最後に言った事を覚えている。 「――よりも脳が優れていて、他の生き物を支配する者なんだ。」 「他を支配する者…か」
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