Rule3.絡まる、絡まる

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     ギリシャ神話のイカロスは、太陽に近付きすぎて羽根を溶かしてしまった。  それならば、金色の太陽の秘密を知ってしまったわたしは、一体どうなるんだろう。  先輩は、あのひとに恋をしている。  "友達の彼女”  どんなに想っても報われない、永遠の片想い。 「……な、陽菜っ!」 「ひゃいぃっ!」  耳をつんざくような大声で我に返ると、自室のベッドで横になっていたわたしの顔の上に、逆さまの恭平の顔。  珍しい。今日はお家にずっと居るんだ。 「……恭ちゃん。なぜ、お姉ちゃんの部屋に勝手に入ってきているのかな?」  曲がりなりにも、ここは乙女の部屋なのに。  ノックぐらいしようよ。……いや、さっきみたいに自分の世界に入っちゃうと、ノックしても気付かないから別にいいのか? 「誰がお姉ちゃんだ、陽菜のクセに。てめぇ生意気だぞ」  ななななんてお口が悪いの。  ○○のクセに生意気、なんてどこぞの剛田武さんしか言わないよ! 「いや、だってお姉ちゃんなんだから仕方ないでしょ。で、何の用? わたし、こう見えても忙しいんだけど」  自分の世界に浸る事に、だけど。  わたしにだって、色々と考えることくらいあるんだから。  ザ・部屋着といわんばかりの、グレーのスウェットとTシャツ姿の恭平は、いつもはうざったくおろしている前髪をカチューシャであげておでこを全開にしている。 「寝てたくせに何言ってんだ。晩飯だから呼びにきてやったのに」  すっぴんで(男の子だから当たり前だけど)おでこ全開なのに、可愛いってずるい。    
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