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    「また、女王様気取りかよ」 「理玖君、かわいそう。 何であんな奴に告ったんだろ。 ほんっとムカつく」 ヒソヒソ、と聞こえないように、何人かの女子が私に対して文句を言っているけど、丸聞こえ。 視線の意味も、"怒り"といったところ。 一部の女子達が私を嫌う、もう一つの理由というのは……。 文句を言っていた通り。 理玖が私に告白をしたのが、気に食わないという、単純なもの。 だけど、私はそんなことでいちいち目くじらをたてたりしない。 本当不純とは思うけど。 言いたい奴には、気が済むまで言わせてればいい。 「こっちの話し。 いいよ、立っても」 「……うーん」 理玖は、疎外感を感じたのか、不安げな表情をしながら立ち上がった。  
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