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    私は理玖に対して好きといった感情は全くない。 入学して、早々。 美少年だと有名になった理玖だけど、誰もが羨む容姿とは想像もできない程、とてもバカな奴だとも噂立っていた。 その噂があったから、私は告白されたとき直感で思った。 バカなこやつは何かと使える、とそれで私は私の利害の為だけに告白を受けた。 今もその理由で付き合っているのは、変わっていない。 ゆえに自分から手放しはしないが、もし例えば別れようと言われたら、私はあっさり承諾するだろう。 好きじゃないから、引き止める必要も理由も無い。 ガタ。 理玖がイスを引いた。 「そろそろ戻るね」 「ああ、うん」  
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