01

9/13
前へ
/283ページ
次へ
  私とは別クラスの理玖。 毎回、休み時間に来ては、チャイムが鳴る少し前に自分の教室へと戻る。 「あっかりー」 私を見下ろす理玖は、笑顔だ。 「なに」 「好きだよ」 言うと思った。 いっつも、いっつも、そう。 好きじゃないってわかってるのに、パシリで使ってるってわかってるのに。 熱い瞳で、強く、好きだよって言う。 「さっさと散れ」 「そんな…。 いやん、感じちゃう」 「言葉で感じるな、きしょい」 「えへへー。 じゃあね、あかり」 なにが、えへへ、だ。 私に酷いこと言われたのに笑うなんて、本当にアンタはバカでドMよね。  
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1718人が本棚に入れています
本棚に追加