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「……うそ。
ちょ…待ってよ。
……はや、ま…君?」
口を手で覆いながら、途切れ途切れに、彼女は言葉を繋げた。
漸く気付いたのか。
ヒーローの正体が自分の好きな相手。
理玖だってことを。
「…マジ、で?」
「え……。
ちょっ…やばいんじゃ…」
他2名も同調するように声を発した。
やばい、って小さな声が、ゆる巻きの子から聞こえてくる。
何度も何度も、呟いてる。
正気のないような表情で。
「顔、見せてやんなさいよ」
「……ふぅ」
息を吐き、渋々といった感じで立ち上がった理玖。
細いけど私より確実に広い理玖の背中で、ゆる巻きの子の顔が見えなくなった。
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