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「ねっ、あかり。
どこでするの?」
後ろから掛けられる陽気な声。
「やっぱしないことにした」
「なんだ。
……ショック」
そのがっかりそうな声色に、少し悪いことしたかな、と思ってしまう。
するも何も、理玖を止める為だけに言ったから、どこでどうやってするかなんて、全く考えちゃいなかったし。
「すんません」
これしか、言いようがない。
「……」
冷たい風が頬掠めて、若干鳥肌がたった。
ふと、見上げた空は相変わらず。
あ……。
同じ時、同じ空の下に理玖と居るんだ。
なんだか急に胸から温かいものが込み上げてきて、たまらず理玖の手を握る手に、力を加わえた。
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