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逆に理玖から、余計握りしめ返されて、胸がもっと温かくなるのを感じた。
胸だけじゃない。
2人の手と手も温かい。
「屋上行こっか?」
歩みを止めることなく、前も向いたまま提案してみた。
「サボるの?」
「うん」
「行くっ!
俺、あかりと居たい。
2人きりになりたい!」
あ、同じだ。
私も理玖と同じこと思ってるよ。
なーんて。
理玖同様、素直に言えたら良いのだけど、気恥ずかしくて言えそうにはないので、
「じゃあ行こ」
少し首を捻って、それだけ言う。
そしたら理玖は笑顔を返してくれた。
何だか、幸せ一杯そうなその笑顔に、顔が綻んだ。
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