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  ちょうど屋上に続く階段を上がっていたときに、チャイムが鳴ったけど、私達は気にも留めず屋上に直行。 そして、フェンスの前に並んで座った。 少しでも動いたら、お互いの肩同士がくっつきそうな距離。 理玖も私も話しを切り出そうとしなくて、暫く静かな時間が流れた。 その静けさが、やけに心地良い。 理玖の傍は落ち着く。 それらが重なってか、少し寒いのも気にならなくて、温かく感じる。 「ねぇ、理玖。 さっきの全部聞いてた?」 「ん?何を?」 私の質問に、疑問を抱かせた理玖が私の顔を覗き込む。 軽く流れたベージュの髪は、昼下がりの陽射しを受けて、より一層明るみが増す。  
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