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    理玖が教室から出ていく際、数人の女子が、理玖を囲んだ。 彼の前では乙女な顔をする。 だけど。 その裏に隠されてる表情は、妬みや嫉妬、怒りだろう。 私に対しての。 「葉山君、やめときなよ。 アイツと居る葉山君、見てらんない!」 「そうだよ! あたし、ほんっとうに嫌……」 ほら、ね。 これ見よがしに私を一瞥して、矢継ぎ早に理玖に言葉を投げかける。 慰めのつもりだろうけど、あなた達には、理玖が困った顔をしているのがわからないの? いや、わかる筈ないか。 頭の中は、理玖から私を追い払うという考えしか無いもんな。 後は自分のこととか。  
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