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理玖も、理玖だ。
いつもヘラヘラしてるのに、彼女達に詰め寄られたら困った顔したのに、今は真面目な顔して。
何だか、違和感がある。
私が理玖を見ていたとき。
一人の女子が、横に居る女子の影からひっそりと、私を睨んでいたことには、気付きもしなかった。
理玖の真面な顔を凝視していたから。
一人。
また一人。
力無く肩を落とし、理玖から離れていく。
「あっかりー!」
不意に、理玖が大声で私の名を呼んだ。
距離は遠くないのに、わざわざ大声を出す必要があるのか。
「うるさい、叫ぶなっ」
「俺の声、ちゃんと聞いて欲しいもん!」
意味のわからないことを言うと、理玖はドアから廊下に出ていった。
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