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最初はあんな卑劣なことを、言っていた訳ではない。
付き合い始めて、理玖がドMなことを知って、いつの頃からかわざと言うようになっていった。
最近では、それが妙に楽しく感じるようにまでなったし。
理玖が私の言うことで、過剰に反応を示す姿が、なんとも気持ちよい。
それをこの前、紗英に話したら『それはSの性だな』と言われ、初めて自分はSなんだと知った。
それからはもう病み付き。
しかも、どうやら、Sが発揮されるのは理玖にだけのようだ。
「あ!SMカップル!」
「うっひょー、見物!」
理玖を連れて、廊下を歩いていると、どこかしらから生徒の声が飛んできた。
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