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  ――ギィ。 重い鉄の扉を開く。 むんっ、とした熱気が踊り場に入り込んで、私達を包む。 温暖化で異常な温度を記録し続けているのだから、9月と言えど、熱いのも頷ける。 理玖を引き連れたまま、屋上に足を踏み入れて、辺りに人が居ないかを確認。 よし、居ない。 フェンスの近くまでくると、私は理玖の手首から手を離した。 「さぁ、理玖。 お仕置き開始よ」 「ちょっ……、待って」 腕を組んで微笑む私に、理玖は両手の掌を向けた。 「さっきからお仕置きってなに? 俺、なにかした?」 私にお仕置きされるのは初めてだから、ドMの理玖でも、さすがにそれには不安を感じているのだろう。  
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