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  私に追い詰められ、素早く後退りした理玖の背が、豪快に直撃したからだ。 「無理は受け付けないから」 「いや、あかりさん? それはちょっと、……ね? いくらなんでも……」 「ドMなんだから。 無理を強いても、ダメ」 理玖に拒否権は与えてあげない。 「それとこれとは、話しが……」 「んー、わかった。 私が脱がせてあげる」 私は、理玖が纏っている、制服のシャツのボタンに手をかけた。 そのとき。 理玖に両肩を強く押されて、ぐるっと体が左に回り、 「――っ!」 ――カシャン。 また、音を立てたフェンス。 条件反射で目を瞑った、私の背中に、当たっているのは……。 フェンス……。  
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