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  彼は本当に理玖なのか、と疑っていたら、 「なんだっけ? あ、服を脱がす、だ。 俺にそんなことするなんて、あかりにはお仕置きが必要だね」 私が何回も言ったこと。 あの理玖が言った。 ドキリ、とした。 なぜなのかわからないけど、ただ、完全に立場が変わっていることだけはわかる。 「あかりの制服、俺が脱がせてあげる」 目を伏せて、上から2つ目のボタンに両手を伸ばす。 私がさっきしようとしたことと、全く一緒のことを、理玖がしようとしている。 や、だ。 違う。 こんなの理玖じゃない。 「――っ……」 辞めて。 そう言いたくても、声が出なかった。  
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