プロローグ

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  一体、私に何の用があって連れ去ったのかは知らないけども、空腹で死にそう。 「私、お腹空いてるんで。 戻ってもいいですかね」 一応確認するようなセリフだが、有無は言わせない、と目で訴える。 「……あうっ! そ、それは困ります!」 葉山理玖はだいぶ焦っている様子で、必死に手を振った。 あう……? 何だか更に気持ち悪い。 まぁ、やけに必死だから、少しだけなら聞いてやってもいいか。 「じゃあご用件を手短にどうぞ」 言った途端、 「――!」 葉山理玖はまるで石像のように硬直した。  
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