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「早くしてくれませんか」
話しもしない葉山理玖に、段々イライラし始めて、刺々しい口調で言う。
その声に彼は肩をビクつかせた。
暫くして彼は胸に手を当て、
「……ふぅぅー」
長い息を吐き、漸く話す気になったんだろう、口を大きく開けた。
「あっあの!
お、おお俺とっ!
つつつ、付き合ってください!」
その大きな声は、屋上に響いて空へと消えていった。
声のボリュームといい突然の告白といい、驚きはしたものの。
私は直感でこう思った。
こいつ何かと使えるかも、と――。
「うん、いいよ」
そうして、美少年の彼と、私の付き合いが始まったのだった。
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