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私のそばに来た、ニコニコ笑顔の理玖。
片手には私が頼んだ、紙パックのイチゴオレを持っている。
「理玖ー、お座り」
「はいっ」
突拍子も無いことを私が言ったのに、理玖は素直にお座りした。
それはまるで犬のようで、本当に尻尾が見えてくるようだ。
「ねえ、紗英。
理玖が冷めると思う?」
目だけを紗英に向けて、先程の話題を戻す。
「すまん、無いわ」
「何の話しー?」
美少年がお座りの状態で、小首を傾げる姿は、異様な光景だろう。
クラスメイトの女子達の視線が、私の方だけに向けられているのが、見なくても分かってしまう。
それは決して良いものではないことも、私は知っている。
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