狭い世界

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 自分の視界の外で、何が起きているのだろうか。知っている人間はいないはずだ。何故なら人間の視界の外の事を見ようにもその方法がないからだ。  自分の目で、見えないところを見て来ればいい。ビデオカメラを使えばいい。そんなことで解決するようなことが言いたいわけではない。  筆者はある可能性に思い至った。狭い世界だ。視界の外には何もない。虚無の空間だ。その空間が視界に入るとき、わからないよう瞬時に物質が構成されているのではないか。ビデオカメラを利用した中継という手段について、自分自身が見ているのは画面だ。その画面が自分自身に偽の映像を見せているのではないだろうか。  音について、視界の外から聞こえてくる音など、数多くある。それもビデオカメラの時と同様だ。偽の情報が与えられているのだ。  自分の視界の外、極端な例でいうと、自分自身の後頭部が本当は無くて、辻褄合わせに感覚ではあるのではないだろうか。もしかしたら世界なんて存在しない。視覚自体も辻褄合わせかもしれない。
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