憑く光

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 タクは、妖怪を連れて山を降りた。  タクが気になっていた妖怪の様子の変わりようも、村に着く頃には先程の興奮が押し寄せ、気にならなくなっていた。  しかしそれでもタクは警戒を怠らない。  村の者に見つからないように、タクは妖怪を家まで誘導した。  幸い雨が降っていたからか、昼食時だったからか、村の者は畑には出ていなかった。  そのままどうにか、タクは誰にも見つからずに自分の家までたどり着いた。 「……入っていいぞ」  自然と声を潜めながら、タクは玄関の戸を開けた。 「ああ、邪魔する」  そんなタクと裏腹に、妖怪は冷静に家へと入って行った。  タクは一度戸を閉め、薪を家の裏に降ろしてから、飛び込むように家へと入って行った。  と、そこでタクの目に入ったのは、玄関に対して一番手間の戸を開いて、その中を凝視している妖怪の姿だった。 「おい、何やってんだよ!」  タクは慌てて家に上がり、妖怪に叱責を飛ばした。 「人の家の部屋を勝手に……」  その部屋の中の光景を見て、タクは言葉を失った。  タクの目先には透き通った水晶の結晶のような物があった。  そして、覆うようにして塊になっている水晶を背負うようにして、そこには布団に倒れ込むキスケの姿があった。
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