憑く光

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 村の者から見下ろし丘と呼ばれるその丘は、谷を先まで見渡せる位置にあり、ちょうどタクのいた村もそこから見えた。 「よく見ておけ」と妖怪は告げる。  言われた通り、タクは村から目を離さなかった。  すると、パキッと一度耳にした音が山の奥から音がした。  それは幾重にも重なって、そしてその後を追うように、山の斜面が崩れ始めた。  その轟音を背に妖怪は話し出した。 「雲の上に居るアヤカシが、雨と共に降って来る事がある。そのアヤカシは、本来水を吸収して生きているが、そいつは雨と共に地に落ちると、水のある地面の層に仲間と共に集まり、水を溜め込む習性がある。すると地面が緩み、あのように地滑りが起きる。だが本来、そのアヤカシは地滑りを起こす程集まる事はないのだ。しかし先程言ったように、アヤカシはより強い力を持つアヤカシのいる場所に集まる。その為この場所に多くアヤカシが集ったのだろう。そうなると、このような事になる」 妖怪が話し終えた頃には、村を覆う山が全て崩れ、月光りを幾重にもして輝く村は、大量の土砂に埋もれていた。
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