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僕たちが生きるためにはルールがあるね。
法律や、政治、慣習や、道徳。
人間が規定したものだが。
すくなくとも、現代人はそれらに従いまた管理されて生きている。
あらゆる人類がだ。
たとえば犯罪を犯して法を破ったものも、刑に服しても、司直の手から逃げおおせたとしても、その者が我らの社会線上に存在すれば、犯罪者という定義付けから逃れることはない。」
私「。。」
教「わからないかな?
名前も顔も分からない者が、君の隣人を殺したとしよう。
仮に犯人をAとすればね、君は誰だか分からないAを殺人者として認識する。
つまりその時、法に即して君は、Aを断罪したんだ。
罰がくだろうと下るまいと、また、Aが誰か判明しようとしまいと。
君は人の規定に縛られてAを犯罪者として認識させられたんだよ。
視点を変えてみようか。
慣習や、道徳の類、人が人であるために作ってきた規定の一切
がこの世になくて、果たして、君はAを犯罪者として認識できただろうか。
ここまではわかるかな?
続けるよ。」
教「さて、Aの話。
Aは逃げおおせた。
君の隣人
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