影武者

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影武者

「小池さん‼」 「誰だって⁉」 「じゃない、田中さん💦」 「アハハハ…いいよ、小池さんで。 学生時代はずーっと小池さんって呼ばれてたからね。」 「すみません…って本題なんですけど、今夜井呂毛さんが俺の所に夜這いに来るんですよ。」 「夜這い⁉彼女がそう言ったのかい⁉」 「いえ、そうじゃないんですけど…」 少し迷ったけど小池さんなら信用出来ると思い、今までの事を洗いざらい話してみた。 「う~ん、にわかに信じがたい話だけどなぁ。」 「でもホントに井呂毛さんが来たら信じてもらえますか⁉」 「そりゃ信じちゃうかもね。 でも真希亜君はモテモテで羨ましいね。」 「いや、実は小池さんに俺の身代わりになって欲しいんですよ。」 「身代わり⁉」 「俺には彼女がいるし、前に小池さんは井呂毛さんとエッチしたいって言ってたから。」 「真希亜君は真面目なんだねぇ。 いいよ、ホントに来るとは思えないから茶番って言ったら真希亜君に悪いけどノッてあげるよ。」 真面目かぁ、散々迷ったなんて言えないな。 「ありがとうございます。」 「いいって。ホントに来たら僕も役得だし、井呂毛さんが真希亜君を本気で好きっていうならOKしないけど、何か遊びって感じだし、何より僕も最近ご無沙汰だからね」 「えっ⁉小池さんてチェリーじゃないんですか⁉」 「オイオイ、やめてくれよ。 誰がそんな事を言ったんだい⁉」 「すみません💦看護婦さん達が……」 「アハハハ、まぁこんな容姿だしね。 でも男はそれだけじゃないよ。 井呂毛さんがホントに来たなら真希亜君にも分かるかもね。」 ??? よく分からなかったが、取りあえず今夜の作戦を話し合った。 病室は6人部屋だったが、現在入院患者は俺と小池さんの2人だけで、俺が窓際のベッド、小池さんは対角線の入口の脇のベッド。 テレビの待機電力のランプを含め、全ての電気を消して顔が分からないほど部屋を真っ暗にして小池さんと俺は入れ替わる事に……
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