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「リトが、君達を助けて欲しいって言ったんだ。
爆発に巻き込まれて無事では無いと思ったけどね。」
壁際へと歩いて行った男は、青い髪を振り返して手招きをした。
コウヤ達はそろそろと近づいた。
壁際には、彫刻のように子供達が並んでいる。
ぶかぶかのシャツが彼等に申し訳程度に引っ掛かっている。
恐らく、無理矢理転生させられて小さくなった体から脱げた制服などが床に散乱している。
彼等は皆コウヤのクラスメイト達だ。
「くっ…
博の野郎、皆を巻き込みやがって。許さねぇ…」
コウヤは下を向いて静かに怒りの炎を燃やす。
梅もしいも同じように下を向いていた。
そんな様子を眺めた青髪スーツの男は、優しく声をかけた。
「博のやつにはお仕置きが必要みたいだな…
今日はゆっくりお休み。動けなくなった皆は、後でリトに元に戻させるよ。
街の人達も俺に任せな。」
顔を上げたコウヤの目に、手を振る笑顔の男が写った。
「転移。」
スーツの男は短く呟く。
「待って!博は組織の何…」
彼の声は途中でぷつりと聞こえなくなる。
コウヤ達は空気に溶けるように消え去った。
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