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昼休みの学校は日の光を浴びて、コンクリートを眩しいくらい輝かせている。
体育館横の弓道場にも、生徒の声が聞こえてきた。
古風な道場の瓦屋根の下に机が並び、給食の時間のように座る生徒達がいる。
紙パックの牛乳をチューチューしているくせ毛の男の子は顔をゆっくり上げた。
「まず、初めに言っておく。俺は転生人だ。
少しだけど昔の記憶もある。
皆の事も教えて欲しい。」
強い光を放つ黒い眼、それが隣に座るケンジを見つめる。
横目でコウヤを見ていた梅は、彼が緊張しているのがわかった。
お弁当を食べる手を止めた爽やか少年は頭を抱えた。
「…俺もそうみたいだ。
昨日から訳のわからない記憶が頭の中でごちゃまぜになってるんだ。
自分が良くわからないよ。」
少年は古びた学校机に目線を落とす。
斜め前に目をやったしぃは、コウヤと目があった。
一瞬、あのね…とまごつくしぃはゆっくり話始めた。
「うちも転生したみたい。それで…
あの、何て言うか良くわからないんだけど、最近変な声が聞こえるようになったの。
というより…
会話できる、って言うほうが良いかな…」
その話を聞いたコウヤの目が輝いた。
会話できるだと?
これは俺達の力の謎を解明する手掛かりになりそうだ
コウヤは、もじもじしているしぃに話の続きを促した。
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