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しぃは、ハムスターのように小さく頷いた。
「私は、コンダクターに選ばれたの。
私が説明するより、彼等に頼んだほうが上手く説明できると思う」
しいは、目線を何も無い空間に移した。
「コンダクターの話を知ってる方、説明をしてください。」
かわいらしい声だ。
それに返事をしたのは老人のしゃがれた声だった。
(コンダクターは、わしらとコミュニケーションをとれる唯一の存在じゃ。
そして、わしらの力を注ぎ込む人間を決める選択を行う者だ。)
真剣な顔をしているしぃに目線が集まった。
「続きをお願いします。」
そう言ったしぃは唾をゴクリと飲み込んだ。
(選ばれた者は無限にわしらの力を使う事ができる。
人間の歴史では、その人の事を救世主とやら悪魔とやら呼ぶようだ。
いずれにせよ、彼女が選んだ人間が世界を変えるのだ。)
そうして声はすぅっと聞こえなくなった。
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