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「おい、何してる。」
追いついた斎藤に声を掛けられ、少し苛々した様子で沖田は振り返った。
「さっきからずっと止まれって言ってるのにさ、無視して行っちゃうんだもん、あの子。」
「ならば、こちらが肩を叩くなりなんなりして、意思表示をはっきりすればいいだろう。」
呆れたように斎藤が言う。
「こんな人が多い所で、あの子の隣まで行くの大変じゃん。さっきから僕も人にぶつかってばっかで、進むの大変なのにさ。」
「俺はお前に追いついたが?」
「…それは、斎藤君の雰囲気が怖いからみんな避けてるんだよ…。僕は普通のいい人だから、みんな避けてくれないのー。」
――――――あ。
そこで、違和感の正体に気がついた。
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