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沖田は、斎藤に自分の考えを話した。
話しながら、少年を追う。
…実は、斎藤が前を歩いているおかげで、かなり楽に少年を追えている。
「――――確かに、あの少年はただ者ではない様に思う。」
真顔で進みながら、斎藤が言った。
「…武士ではないと思うが。刀は持ってないようだ。」
「でも何か武芸をやってるのは間違いないよね。山崎君ならわかったかなー?」
彼ほど人間観察に長けた人物なら、恐らくは見ただけで検討をつけることが出来ただろう。
そうこうしている内に、少年はもう目の前だった。
「もー、ちょっと待ちなよ!さっきから声掛けてんのにさぁ。」
ついに、沖田が手を伸ばして少年の肩を掴む。
その衝撃で黒布が取れた。
――――するり。
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