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「ふわぁあ…」
眠気の抜け切らない身体を引きずるように歩き出すと、前方に見慣れた栗色のロングヘアー。
「セーラ!」
「あ、ロイおはよう。どしたの?ロイが休みの日に出かけるなんて珍しいね。」
そう言って微笑んだのは、隣の家の一人娘の、セーラ=パーカー。
「買い物頼まれたんだよ。」
俺が不満をにじませながら答えると、セーラは自分より背の高い俺の頭に手を伸し、わしゃわしゃと撫で回した。
「お使いなんて偉いねー、いい子いい子!」
「ちょっ!子ども扱いすんなよ!!」
俺が抵抗を試みると、セーラはそれをヒラリとかわし、走り出した。
「何してんのー?私もお使いだから一緒に行こーよ。」
「ったく、自由なやつだな。」
俺はため息をつきながらも、後を追って走り出した。
家を出たときより、気持ちは随分軽くなってた。
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