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この雑誌は結構、色んなジャンルの服装などが載っていて便利だ。おまけにファッションだけでなく、家具や雑貨といったものも多く載っていたりする。 だから毎月送られてくるようにと雑誌のサイトに登録などしていたり。 別に誰に言うでもなく雑誌のページを捲りながら呟くように考えていると、横から彰裏と同じくソファに座った綾瀬が話し掛けてきた。 「彰裏らしいですね」 『…ん?』 「あ、その服とか彰裏に似合いそうですよ」 そう言いながら綾瀬はどこか楽しそうにしながらあるページを指差す。 彰裏が綾瀬の指差すそのページ内容を見てみれば、確かに綾瀬の言った通り彰裏の好みそうな服を着たモデルの写真がいくつか載っていた。 じっと見つめている彰裏に綾瀬は、ね?と首を傾げながら尋ねる。その答えにこくりと頷くとにこりと笑顔が向けられた。 「ふふっ」 『…綾瀬、は…?』 彰裏の突然な振りに驚いたような、吃驚したような不思議そうな顔をしてこちらを見る。 「私ですか?」 『ん…』 お馴染みのように頷くと綾瀬は何やら考え出したように、う~ん?と唸るような声を漏らしながら横目がちに彰裏の手元にある雑誌を見つめた。 別に時間に五月蝿いわけでもなければ急いでいるというわけでもない。…が、正直、やはり暇だ。 仕方なくもう一度雑誌に目を落としていれば不意に声をかけられた。 振り返れば、何故だか笑顔の綾瀬がこちらを見ている。 『………?』 「そうですね、私は普段着物ですね」 ―――え、着物…? 予想外の解答に驚く。 好きなファッションが着物…とはまた変わっているな、と思ったのだがやはり意味というか理解というか、困る。 『……着物…』 「ああ、着物も一応はファッションですよ?」 クスリと笑う綾瀬が何だか何となく、本当に一瞬だけなんとなく分からなく感じた。
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