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あの後、ギリギリ遅刻を免れた俺と弘毅は正門をくぐり、下駄箱へと向かった。
すると……
「あ゛ぁ!?てめぇー…っざけんじゃねぇぞ?!謝りやがれッ!!」
「はぁ?お前がぶつかって来たんだろ。勘違いしてんじゃねーっての!」
「ンだと!?ヤンのかおらぁ!!」
騒がしいと思いきや、ぶつかっただの何だの…と揉め合い喧嘩になる最中だった
(騒がしい…、喧嘩…?)
俺はそう思い少しばかり自分より高い位置にある弘毅の顔を見てみた。
「んー?どした。彰裏っ」
いつもとは違い、今日は珍しく何もなかったかの様な表情だった。
少し気になったが『まぁ、いいか』…と思い
早く教室に行って少しでも長く寝ていたかった俺は弘毅の袖の裾を“くいっ”と少し引っ張りこう言った。
「…弘毅、教室…行こ…」
すると、微かに顔や頬を紅くなっていた。
「お、おう…そだな!」
「ん…。」
俺は、“コクンッ”と小さく弘毅の言葉に頷き、先程目撃した所謂不良達のいざこざに避けるようにして、二人で目的地である教室に向かった
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