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「…あ……」
「ぇ…?うわっ!?ひ、姫神君!!あっ…」
「ん…?」
出てきた瞬間は勢いよく喋っていた筈なのに突然勢いを無くした。何故だろう?と思い、俺は教室の中をキョロキョロと見渡して見た。
《うっ、わ…?!か、かわっ…!そんな仕種まで…》
《ヤバい…トイレ!》
《あぁ…やっぱりこれを見るには学校来なきゃな!てか、今なら幸せ過ぎて死ねそうだ…》
……そんな、周りがこんなことを思っているなんて一度も考えたことなんてないわけで
勿論、所謂鈍感・天然と思われる俺は気付く筈もない。
「ふぁー…っ、ぅ…机…」
「へ?机…?あっ、ああ!」
俺がどうして、机…と言ったのか理解したらしく、目の前に立つクラスメートらしき人物は右手を握りしめ左の掌の中で“ぽんっ”とやっていた。
(なんか、この人…かわいいな…中型のワンコ…?)
『ワンコ好きなんだ。』
なんて、いまいち自分でもよく分からないことを心の中で自慢してみた
そういえば、廊下の途中に置いてきた弘毅はどうなっているか、というと……
やはり項垂れて拗ねていた。
「ぐっ…なんで…なんで……彰裏が居ないんだよー!!うわっどうしよ、俺…彰裏、もしかして変な奴等に襲われ…?!」
弘毅らしいといえば弘毅らしいが、少し哀れみを感じる。
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