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「…長‥い…」
余りにも寮までの長過ぎる距離につい愚痴が溢れてしまう。
「あはは…申し訳有りません」
俺が言ったのが聞こえていたのか、苦笑しながらこう言った。まあ…仕方の無いことだからそれ以上は触れないことにした。
付き添ってくれる案内の人にも失礼そうなので
そうこうと会話のキャッチボールが他よりも少ないながらも交わし、やっとの事でゴールである寮らしき建物が姿を現す。
見付かった事には感動
――だけど、どう見ても学生が利用する寮には見えない。 何を思えばこんな寮が出来るのか…不思議だ。
俺の思考が読めるのか、それともただ単に俺の考えることが単純で分かりやすいのか、案内人が口を開く。
「お疲れ様でした。あそこに見えるのが寮ですクスクス…吃驚しました?」
「…‥ん…凄‥い…」
僅かな間を置き、応える。
「私も最初は目を疑いましたよ」
「…そ、なの‥?」
「ええ。有名な私立高校は当たり前にこんな建物があるのか…と」
その言葉に安心感を抱いた。
(‥よかった…)
どうやら、驚いたのは俺だけじゃなかった様子なので
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