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黙りこくってしまった案内人に疑問を抱きながら、一人静かに時間を待つ。 「名乗る程の物ではないのですが…どうしても?」 え…どうしても?って言われても…困る、しか言えない。 だけど、気になる。 教えて貰うことは不可能なのか…等々を考えていると、彼は普通に教えてくれた。聖(ヒジリ)さんだそうだ。さっきのは一体なんだったんだ…まあ、結果良ければ良しと言うので良しとなった。 「…前置き、長い‥」 「クス、すみません」 「ん‥いよ…」 「ありがとう御座います」 「‥ね…ひじ、りさん‥」 「はい。どうしました?」 「、寮…?」 「ああ‥寮ですか」 「‥うん…寮‥」 「あと10分程ですね」 10分か…長い、と言うのが率直な感想。 かと言ってもこのまま居るのもどうなんだ? 仕方なく黙って歩いた。 結局、自分なりには速足で歩いたのに倍の20分掛かって何とかゴール(寮に到着)出来た。
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