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「う~ん…。それらしい人は居ないし、どんな子だろ?」
一人小さく呟きながら、廊下を歩いていく。
「…あ!蒼井ちゃん」
「へっ?」
歩いていたら突然横から名前を呼ばれた。
振り返るとそこに居たのは、三年の数名のいかにも不良等の紛いか、チャラチャラしてそうな生徒だった。(ご存知だと思いますがこの学園は男子校です)
「えっと…、」
名前…どうしよう。分からないんだけどなぁ
何て相手が誰なのか分からない事に、内心焦りながらニッコリ笑顔を向け時間を稼ぐ。
「あ。覚えてる~?」
「ぁ―」
「まぁ、忘れてるかもな―?改めて樹更瑠樹。こっちは…」
「俺は松井晋介―」
「田名辺健だよ」
…助かった…
気持ちを察したのか、相手側が名前を名乗ってくれて知ることが出来た。
でも、全然覚えがない。
失礼だろうな…と思うも、自分(心)に嘘は付けないものだ。
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